山口県、美祢市、秋芳町、美東町には、秋吉台、秋芳洞のあるカルスト地域が広がり、ほぼ全域から大理石が採れます。地元では昔からそれらの大理石を採掘し、仏像、狛犬、灯籠、墓石、手水鉢、石垣、敷板、井戸、建築など、いろいろなものが作られてきました。
今では苔むして、創建当時のような白さはありませんが、よく見ると、どこかに当時を
偲ぶ白い結晶部分を見つけることが出来ます。
江戸中期頃から大きな長尺物ものもとられ始め、鳥居などの大型造形物も作られるようになりました。創建当時の美祢市の寺社仏閣は、まばゆく白く輝いていたことでしょう。
そんな、大理石の歴史は、地域の人に大切にされながら現在まで残っています。いつもきれいなお花が生けてあり、地域の人たちに愛されているのが伝わってきます。しかしながら、市内にたくさんある大理石のお地蔵さんや灯籠、鳥居などには、風化が進み修復が必要なものも少なくありません。
今度、美祢のどこかでお地蔵さんに出会ったら、ちょっと目をとめてみてください。ひょっとしたら、大理石のお地蔵さんかもしれません。
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